Matt Savage Trio Kobe 2015 HiRes

Japanese review (English translation is underneath):

【無垢なピアノの音に、優しくふれられて】

秋のKobe Modern Jazz Club。
スタッフとして参加させていただきました。
今回は3年ぶりの、

Matt Savage

を迎えてのピアノトリオ!

ベースに石川翔太さん

ドラムは竹田達彦さん。

アメリカのジャズシーンでは既にその才能は注目を集めていますが、日本では未だに知名度は高いとは言えないMatt君。
3年前の来日時は駆けつける事ができずにくやしい思いをしましたが、生で聴ける機会がついにやってきました!

Matt君の魅力…
まず何よりそのピアノの音に惹きつけられました。
その音を聞き逃すまいと耳をすませば、「美しい」という一語だけでは形容できない音世界が。
さながら彼のピアノは、聴く人の心のギスギスした嫌な部分を取り払い、優しく暖かい気持ちへと変えてくれるような前向きな力に溢れていました。
ただ指が鍵盤の上をなぞっているだけの演奏では到底なし得ないその深いサウンドの求心力。
彼が“天才”と言われる所以の一端でしょう。
そして彼のオリジナル曲は様々な場面展開が起きるのですが、そこには立体感と視覚的な要素を多く含んでいるように感じました。
譜面にまるで地図を描いているかのように起伏に富んだ楽曲。
キャッチーな部分がより研ぎ澄まされれば、いずれジャズシーンでも屈指のオリジナリティー、そして普遍性を持った楽曲を生み出してくれるのでは!?

そんな個性ある彼のオリジナル曲だけで構成されたセットリスト。
様々なリズムパターンも石川、竹田両氏の渾身のサポートでMatt君が思い描くサウンドになっていたと思います。
石川さんのベースは以前聴いた時より、その音色に厚みが増しているように感じました。
ベースソロの構築も楽曲に寄り添いながらも面白いエピソードを加えていました。
竹田さんのドラムは複雑な展開でもタイトにリズムキープしつつ、やはり楽曲の意図を理解した演奏にただただ惚れ直すばかり。
いつもと違ったスタイルのドラミングでしたが、その対応力、集中力の高さは特筆すべきでしょう。
私が言うまでもなく、ドラムソロでの観客の拍手の多さが竹田さんの素晴らしさを明確に証明していました!

Matt君のピアノ、曲は従前たるジャズピアノを期待すると理解しにくい部分もあるかもしれません。
しかしだからこそ、それだけ幅広いスタイルがあり、生み出され続けるからこそ“Jazz”というものが連綿と続いている、面白みがあると捉えてほしい所です。

他で類を見ない独創的な楽曲とそこはかとなく美しいピアノ、それと共に聴きごたえのあるリズムセクションの演奏。
これほどの高いレベルのライブを毎回提供しているKobe Modern Jazz Clubの活動には改めて恐れ入ります。
来年の春はどんな世界が待ち構えているのでしょうか!!皆様、早速来年に向けて今から期待しましょう!!

English:

Kobe Modern Jazz Club Autumn Concert

It has been 3 years since the last time Matt Savage appeared on this stage with Shota Ishikawa on bass and Tatsuhiko Takeda on drums.

Matt is already a famous pianist in the USA; however, he is not as famous in Japan yet.  3 years ago I could not attend his show; it was a big loss for my musical experience.

At last I fulfilled my dream of listening to Matt Savage.

My first impression was of his piano tones.  My brain was spellbound by his tone.

No one word could do justice to his performance; it was simply “beautiful.”

This might come from his heart of great depth.

The piano tone eliminated the cold and heartless evil from within us and changed it into something more gentle.

It is his power of purification that is his genius.

His original music was drawn like elaborate three dimensional maps, including ups and downs revealing the nature of his sensuous life.

I am certain that Matt Savage has the potential to become a jazz revolutionary.

Most Japanese jazz enthusiasts might find his music incomprehensible; however, we have to realize again what jazz is.  Jazz has the possibility to spread styles and feelings without limit, so just call it jazz!

Chief Editor

Ryota Kojima

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Translation by Dai Murata

Source:  http://jazzdance.ko-co.jp/e342210.html